たなたろです。ユーカリの精油一直線なズーロジスト(Zoologist)の香水、『コアラ(Koala)』を肌に乗せた口コミ感想レビューです。ズーロジスト史上で最も軽やかで万人受けする香りではないかと感じました。ハーブとシトラスが好きな人向けですね。
画像出典:zoologistperfumes.com
『コアラ』の香り
ユーカリからの紅茶、と言うのが全体的に感じたものです。
ユーカリの精油を良く使う人は、トップからしばらくの間ユーカリしか分からないぐらいにユーカリではないでしょうか。コアラと言えば、ですよね。
次第に香りは複雑化していき、紅茶もシトラスもハニーもバニラの甘さもゼラニウムも、どれも少しずつ感じられる様になります。紅茶も分かるけどそれだけじゃないですね。ユーカリの生い茂る先に実は多様な生態系が栄えているのが少しずつ見えて来るかの如く。香り全体として重くはないがズーロジストらしい複雑で情報量の多さです。
ミドル以降はムスク、ベチバーを中心にシャープだった香りもまろやかに落ち着いてきます。風通しの良い、心地よい香りです。晴れた日に使いたいし、春夏にも向いていそう。
とは言え、香りの持続性は非常に長く、揮発性の高いユーカリやシトラスが早々に抜けてからが長いんですよ。これだけ軽やかな印象ですが、真冬の時期に試して3~4時間ぐらいはきちんと香っていました。濃度は20%と非常に高く、ズーロジストはほぼすべてオードパルファムを上回る「エキストレドパルファム」です。
どんな人に向いてるか?
『コアラ』はユーカリの精油好きは好きだと思います。同じく、ハーブやシトラスの精油を良く好んで焚いている、と言う方もぜひ使ってみて欲しい。
基本的にズーロジストの全作品の中でも最も軽やかで万人受けする類でしょうね。ズーロジストにヘビーな香り、タバコ、スパイス、アニマル、オリエンタルと言ったものを求めるなら最も適していないでしょうね。
ズーロジストにとっての新たな境地となる香りかも知れない。
『コアラ』の調香師はたぶん日本初進出
『コアラ』は2020年発売。調香師はスピロス ドルソプーロス(Spyros Drosopoulos)。
彼は元神経科学者で、オランダはアムステルダムを拠点にずっと活動しているようです。
マグネティックセント(Magnetic Scent)と言う香水ブランドのファウンダー兼調香師をした後、今はバルティフレグランス(Baruti Fragrances)と言うニッチフレグランスメゾンのオーナー兼調香師をしている方です。マグネティックセントは公式サイトが見当たらないので今ではもう存在しないのだと思われます。ズーロジストでは今作『コアラ』が初仕事。
ズーロジストは作品ごとに調香師が変わるスタイルのブランドなので、スピロス氏然り、日本にこれまで入ってくる事の無かった調香師の作品の1つを堪能する良い機会を与えてくれる、と言う意味でもとても好きです。
コメント