『ヘリオトロープ(heliotrope)』エトロ(Etro)

heliotrope etro エトロ(Etro)

たなたろです。エトロ(Etro)の香水『ヘリオトロープ(heliotrope)』を肌に乗せて試香した口コミ・レビューです。

画像出典:ausliebezumduft.de

『ヘリオトロープ(heliotrope)』の香り

『ヘリオトロープ(heliotrope)』の香りは最初、杏仁豆腐だと思いました。アーモンドとヘリオトロープを中心とした、フローラルです。

トップはベルガモットのわずかな酸味と共に、プチグレン、オレンジブロッサムと言ったシトラスらしい香りがありつつも、かなり強めにアーモンドの苦くドライなナッツの香りが中心になります。

このトップは同じエトロ(Etro)の『ジャカード(Jacquard)』に似てますね。

アーモンドはミドルぐらいまでですが、シナモンやニッキ風のその香り立ちが杏仁豆腐を思わせ、グルマン調の様な香りに思える程です。

杏仁豆腐の香り、好きな人って案外いるみたいですが、これは気にいるかも知れませんね。

杏仁豆腐の香りは原料となる杏子の種なんですね。種を剥いた白い部分に含まれるベンズアルデヒド。これはアーモンドエッセンスとほぼ同じ香りです。なのでこの『ヘリオトロープ』の様なアーモンドがメインの香水は、必然的に杏仁豆腐の香りっぽく感じられます。

さて、ミドル以降はヘリオトロープやアイリス、ジャスミンの柔らかいフローラルとトンカビーンやバニラの控えめな甘さが溶け合いながら、少しずつで来るのがツンとした酸味、甘みのペルーバルサムやトルーバルサムです。

シナモンっぽさはラストに至っては更に強く出てきます。バニラやトンカビーンより強く残り続けるので、ラストは樹脂香なんですね。

本当はとてもアロマティックな香りのはずですが、バルサム香と交じり合う事で強調されてか、まるで何かの薬品の様な、ケミカルな刺激臭にも思える樹脂香です。不快にならないギリギリの線を行っているのが凄い。

ラストまでこのアーモンドと、ヘリオトロープのパウダリーさと、バニラの甘さと、そしてメタリックなバルサム香とが絡み合い、独特ながら心地よいアロマティックな香り立ちが続きます。時にヘリオトロープ、時にバニラの甘さ、と嗅ぐ瞬間で香りが変わります。

とても面白い香りで、エトロやるなあと言う印象です。1989年発売です。

既存のグルマンともフローラルともバルサミック調とも一言で言えない、新しさを感じます。

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