とてもリッチなイチゴの果肉の香り、『ICHIGO MUJOU(一期 無常)』がアールフレグランス(R Fragrance)より2021年11月4日より発売。購入しましたのでレビューしたいと思います。
アールフレグランスの期間限定ショップへ
店頭で試す機会がなく、気にはなっていたもののずっと試せなかった『Ichigo Mujou』。ある時、期間限定ショップを渋谷でやるとの報を目にしたので馳せ参じました。
『Ichigo Mujou』はどんな香りなのか
店頭で肌に乗せて頂きました。いや〜これ良い香りでした!
まず思ったのは、名前通りイチゴがとても目立つということ。初見ではイチゴ以外が分からないほどの濃厚なトップノート。
お話を聞くと、確かにイチゴの果実を丸ごと再現したとのことで、ワインでいうフルボディの様にしっかりした苺の果肉を感じました。
そして時間が20分ほど経った時。手首からレザーやパチュリが立ち上ってくるのをキャッチしました。
パチョリはアーシーな雑味のある部分ではなく、中心のピュアな部分を使用した…と確かその場で調香師の村井さんから伺いました。
個人的にはイチゴとパチョリ、こんな面白い組み合わせになるのかと気に入りました。何となく一瞬イチゴのシプレ…の様にも感じました。新しいなと。
村井さん曰く、ちょうど良いバランスを模索するのにこだわりかなり製作に時間がかかったとのこと。
イチゴは丸ごと使いの香り
いちごの果肉には実は部位ごとにさまざまな香気成分があるそうです。
基本はリナロールやエステル類ですが、ヘタに近い部分はグリーンがあり、下の方に行けば甘くミルキーな香りに近くなると。『Ichigo Mujou』では果実の全部分の香りを詰め込んだとのこと。
なるほど、確かに果実味がかなり映像の用に立体的で、口の中でイチゴを頬張った時のようなリアリティを感じるんですね。
これも村井さんが仰っていましたが、イチゴの香りをここまで丸ごと使い、かつ主役とした香りは珍しいそう。思い起こせば、そうかも知れない。
トップは数十分間いちごの立体的な果肉感が続きますが、そこから先は次第にパチュリとレザーが立ち昇ってきます。蜂蜜、バニラはあとあと香りがはっきりとしてきますね。個人的には蜂蜜が控えめながらリアルな香りに感じました。
思い返せば肌乗せしてみた時、トップノートではイチゴだけでなくドライフルーツのような、こってりした甘さを感じたんですよね。
意外と重いテーマのギャップ
『Ichigo Mujou』は実はダークな「死」というテーマを帯びています。
死を意識する事で日々を充実させる。前向きに生きることができるというメッセージでもあるようです。いちごの香りをヘタから果肉まで使用する事で、生命の始まりから終わりまでを丸ごと表現したそう。
イチゴのかわいらしい愛されグルマン、、みたいなキッチュなものではないのですね。ギャップがあってとても面白いです。
イチゴの香水は珍しい
日本に入ってきているイチゴの香りというと、ミラーハリス(Miller Harris)の『ブラウジー(Blousy)』とか、当店でも扱うモンタル(montale)の『ローズ エリクシール(Rose Elixir)』や『ムクハラ(Mukhallat)』ぐらいかな。
海外ではイチゴをここまでしっかりと表現するより、ベリー系の香りを使う方が多いですからね。
とはいえ『Ichigo Mujou』もイチゴだけを丸ごと全面に押し出す作風ではないんですよね。その意味でかなりレアな香りなのかも知れません。
香りはかなり長く続く
持続時間はかなり長いです。トップのイチゴがロングラスティングですね。
香りの変化としてはイチゴ→レザー→グルマンと移ることが多いと思います。人によってはいちご→レザー→いちごに戻る人もいる、とのこと。そして私は最初に肌乗せした時が正に後者でした。気温や天候などでも変わると思います。色々試してみたいですね。
コメント