『ムスク クビライカーン(Musc Koublai Khan)』セルジュ ルタンス(Serge Lutens)

『ムスク クビライカーン(Musc Koublai Khan)』セルジュ ルタンス(Serge Lutens)01 セルジュルタンス(Serge Lutens)
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たなたろです。セルジュ ルタンス(Serge Lutens)のグラットシエルシリーズの香水『ムスク クビライカーン(Musc Koublai Khan)』を肌に乗せて試香した口コミ・レビューです。

※画像出典:sergelutens.jp

『ムスク クビライカーン(Musc Koublai Khan)』の香り

かなりのストレートな動物臭、特にシベットです。

シベットって「お爺ちゃんの歯槽膿漏の臭い」とある高名な香水業界の方がかつて語っていた様な、文字通りの臭いで、普通はこんなにメインに据えないんですよ。何分の一滴か垂らしてベースノートの更にアクセントにする様な使い方が一般的です。

一方この『ムスククビライカーン』は、最早シベットのみしかわからないぐらいにシベットで、レザーやスエード以前の、加工してない動物の皮膚の様な、荒々しくした様な、かなりの怪作です。もちろんこれでも香料のシベットそのまんまではないにせよ。

とにかく動物小屋そのまんまで、これはギリギリを狙うとかではなく、余裕で一線を超えています。

初めて嗅いだ時に、なぜかかつて中国の北の山間地帯を根城としていた「匈奴」とか「犬戎」と言う騎馬民族が頭に浮かびました。

名前もクビライカーンとありますし、中央アジアを駆け巡り支配したワイルドな戦闘民族という点では当たらず共遠からずと言った所でしょう。

『ムスククビライカーン』を気にいるタイプの人は、ごく少量を肌に乗せる使い方なのだと思います。1プッシュ未満。それであれば、特に冬の時期は比較的クールなスエードっぽい香りになります。併せてローズや他のフローラル等々も綺麗に表れます。

この『ムスククビライカーン』を何プッシュも付ける様な人は、「良い香りを纏おう」とは思っていなくて、周りの目も一切気にしない、人と絶対に何が何でも被らない、かつ似た香りがこの世に絶対に存在しない、そして究極にワイルド、そんな香りを求めてここに辿り着くように思います。つまり香水の最果てと言い切っても良いのかも。

アニマリックで有名なズーロジストなんてかわいいもんですよ。

まあそれか、幼い頃から乗馬に慣れ親しんだ様な方だと案外こう言う香りは心地よいのかも知れません。

このギリギリの線を大ジャンプで遥かに飛び越えた動物香はやがてラストに近づくにつれようやく名前通りムスクやキャラウェイ、アンブレット、アンバーが混ざり出し、ローズの酸味や甘みのあるフローラルでマイルドになります。でもシベットは最後の最後まで残ります。

海外のレビューでも、セクシーだとする香水マニア達と、自宅で1人の時だけにしとけ、と言う声とがあり、混沌としております。この反応こそがセルジュ ルタンスの狙ったものでしょう。1万人に嫌われても数人愛してくれる香り…クリエイター冥利にある意味尽きる作品ではありますね。

セルジュ ルタンスの店員さんによれば近年の彼は年老いるにつれ死を連想する作品を出す様になったとの事ですが、こちらは20年ほど前の作品であり、まだイケイケだった頃のルタンスなのでしょうね。

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