たなたろです。ラルチザンの2020年新作として発売された、珍しいバニラ系香水の『クルールバニーユ』。肌に乗せて試した口コミ感想レビューです。
画像出典:artisanparfumeur.fr
『クルールバニーユ』の香り
バニラの特産地として知られるマダガスカル産のバニラをメインに据えた作品です。
マダガスカルバニラをテーマにした香りは多数登場してきたが、ここに来てラルチザン パフューム(L’Artisan Parfumeur)はそれをどう料理したかと言うと…
ウッディ調に渋くまとめたバニラになったようですね。
素直に甘々なグルマン調でもなく、トルーバルサムなどの樹脂や海塩の塩気、イモーテルの甘くもありながらスッとしたハーバルな味わいを詰め込んだ多様性に満ちたバニラ。
中でもこれらを最も強くまとめているのがトルーバルサムやベンゾインなどの樹脂。
バニラを甘々しく浮かれさせず引き締めて、塩をパラっとまぶした一捻りある作風に。近年のラルチザンはテーマそれ自体で遊ぶのではなく(※)、割と普遍性のあるテーマを選択しつつこうしたアクセントで遊ぶ傾向にありますね。個人的にはどちらも好き。
※唐辛子の香り『ピマンブルラン(Piment Brulant)』や寺院の石畳の香り『ゾンカ(Dzongkha)』などなど
まるでインディーズで変わり種だったアーティストがメジャーレーベルと契約してより幅広い受けを狙いつつ、内側では引き続き個性を出してくる…と言った変換を見ているかの様でもありますね。
2020年発売。調香師はアリエノール マスネAlienor Massenet)。
ちなみに2020年に出されたバニラ系香水でしたら、ラボラトリオ オルファティーボ(Laboratorio Olfattivo)の『トンカード(Tonkade)』の方は、トンカビーンが主役ですが、バニラと絡み合いねっとりした甘さ重視な逸品です。
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