たなたろです。セルジュルタンス(Serge Lutens)のグラットシエルシリーズの香水『フュムリテュルク トルコの煙(Fumerie turque)』を肌に乗せて試香した口コミ・レビューです。
※画像出典:sergelutens.jp
『フュムリテュルク(Fumerie turque)』の香り
こちらは私の好きな「タバコ」の香りなんです。
普通タバコならヤニかスモーキーかどちらかだがこれは両方です。
スティラックスの強い苦味も相まって、スエードや革張りの椅子や家具が置かれた部屋でタバコの煙がもくもくと立ち込める、そんな中にいるかの様です。あるいはスティラックスのおかげで土埃とかぬかるんだ土を感じますので、屋外にいる風景なのかも知れません。トプカプ宮殿がメインイメージらしいので、まあ屋外かな?同じルタンスの怪奇な作品『ムスククビライカーン』と共にワイルドな様相です。
この『フュムリテュルク』では、タバコと同時にスエードの動物臭に近いツンとした苦味を楽しめます。
スエードに関してはこの「楽しめる」が大事で、同じセルジュ ルタンスの『ムスククビライカーン』が動物臭の不快さと良い香りのギリギリの線を攻めて「向こう側」に行ってしまった、つまり大抵の人にとって不快に思える香りになってしまったとしたら、この『フルムリテュルク』はギリギリの線を攻めて「良い香りとして楽しめる」側である事に成功していると思います。
もちろん香水に慣れない人にとっては理解が出来ないタバコとアニマリックさですが、色々な香水を経験してきた人なら気に入る可能性はありそうです。私はギリギリ好きです。笑
激渋かった香り立ちも、ミドル以降になると少しずつバニラやハニー、トンカビーンの甘さが奥まりつつも出てきて、それがまた意外なんですよね。渋くてワイルドな香りからほのかとは言え、甘みを足すのかと。
かくしてタバコとスエードの渋さや苦味は徐々に減速しマイルドになり、柔らかいローズで終わります。纏う際は緊張感がありますが、だからこそ面白いですね。
2003年発売。調香師はクリストファー シェルドレイク。
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